やさしい革、彩鞄
皮革の製造は大量に水を使い、薬品も多種にわたります。
皮革産業も時代の流れに沿った製造の方法を模索する中、
業界団体である一般社団法人 日本皮革産業連合会が
自発的に設けた基準をクリアした革材料がエコレザーです。
一般社団法人 日本皮革産業連合会についてはこちらをご覧ください
製造から輸送、販売、再利用にいたるサイクルで
環境負荷を減らすことに配慮する目的で、2009年に作られました。
主にこの3つの要件を満たした革が日本エコレザー認定を受けることができます。
(参考 http://ecoleather.jlia.or.jp/ エコレザーとは)
「彩鞄」は2015年2月現在、11種類の革をエコレザーとして登録し、様々な製品を発表しています。
彩鞄は草加の皮革に携わる職人が集まり、開発したブランドです。
1枚の皮が革に、そして靴や鞄になるまでに実に約50もの工程を必要とします。
そこには何人もの職人がいて愛用の道具があり、皮から革に、そして鞄や靴になるのです。
1枚の皮(革)を仕事場から仕事場、職人から職人がリレーするようにして草加でうまれたのが「彩鞄」です。
職人の絆は固く、Leather Town SOKA Project teamとして活動を続けてきました。
そして彩鞄はさらにこのプロジェクトを一歩すすめ、原料の皮を国内産それも埼玉県内に求めました。
本庄児玉の「武州和牛組合」と手を結び、原皮の供給を一部依頼しています。
豚革の製品でも埼玉県内の養豚場の豚皮を使おうと探究しています。
彩鞄のこだわりは細部にまでおよびます。
金具をできるだけ少なく、裏地やファスナーもエコ仕様にするなど、徹底したものづくりを追求しています。
それが実現できたのは、原料の手配から、染色、なめし、縫製、製品づくり、最終製品までを、草加市内と近郊でまかなえるから。
すぐ顔が見られる距離でそれぞれの仕事場がつながっている草加ならではなのです。
遡ること約330年前、松尾芭蕉と弟子の河合曽良が江戸から東北をめざし吟行に旅立った。
そして最初に立ち寄り、荷を降ろしたであろう地、草加。
時は経ち、昭和10年代に皮革関連の業者が
東京都内から工場用地を草加市内、近郊にもとめて移転してきた。
豊富な地下水と交通の便の良さがあってのことである。
当初はタンナーが多かったが、
次第に染色加工、製造の業者も移転、開業するようになった。
その結果、原皮調達、鞣しから製品まで工程を同じ地域でできる、
全国でも珍しい地となったのだ。
そして、東京に一番近い観光名所がある。
草加市を南北に流れる綾瀬川沿いに約1.5kmにわたって連なる松並木は、
このほど国の名勝として「おくのほそ道の風景地 草加松原」として指定された。
旅路を急ぐも、名残惜しいのか江戸を振り返る芭蕉と、
師を追いかける曽良の像も見ることができる。