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--大東ロマンさんは何をやられている会社さんなんですか?
ウチの会社は小中牛などの国産の原料を使って
靴用の革、あるいは鞄・小物用の革を製造しています。
--手広くやられているんですね、その中で主軸となる事業はどちらになりますか?
主軸となると靴の革ですね、
靴の革が大半を占めています。
--会社はいつごろからやられているのですか?
1940年頃から海軍の監督工場としてスタートしました。
--軍需産業の時代ですね
そうですね。当時は航空機の燃料を漉すためのセーム革や靴用(軍靴用)の革を製造していました。
--その後、現在までどんな事業にシフトしたのでしょうか
時代の要求に応じて色々と変遷してきましたが、
手袋用、靴用はもちろん袋物用、ケース用の革を製造してきました。
--軍靴といえばガッツリ丈夫なイメージですが・・・
海軍用の靴ですから、多脂革という種類の革を使うことで
防水性能を上げていました。

1970年頃から、今まで培ってきた技術をもとに、
より扱いの難しい子牛の革を使って
主に紳士・婦人靴用の革にシフトしていきました。
当初は、良質なカーフの原料を求めて、
ニュージーランドへ渡り現地で加工(鞣し)を行なっていました。
--近年では、大東ロマンさんの革を使った靴はどこに置かれているんでしょうか?
そうですね、銀座界隈などの複数のデパートや、
靴の専門店などにも当然並んでいます。
--良い所に並んでいますね、品質を信頼されてのものでしょうか。
信頼といえば、某高級靴ブランドのメーカーさんがあるのですが、
そこのブランドは国産の革は使わず、海外の革を輸入して使っています。
しかし、そんな会社でもウチの革を使ってくれているんです。
--そんな会社でも指名買いをするぐらいなんですね
そうですね、特徴もあるし、
革単体はもちろん、実際に靴にした時の出来栄えが良いんです。
--どんな違いがあるんでしょうか?
日本の革は樹脂仕上げが多いのですが、
ウチの革はイタリアの革と同じ仕上げである
カゼイン仕上げを行っています。

この仕上げは高級革の為に使われる仕上げで、
レザーの銀面(表面の質感)を生かしたい時に採用します。

普通の樹脂仕上げの場合は靴屋さんで仕上げができづらいのですが、
カゼイン仕上げの場合はクリームも塗れますし、磨きも出来ます。

もうひとつカゼイン仕上げの特徴があるのですが、
よく、本皮なのに合成ビニールのようなバリバリ感が出てしまったレザーを見たことがありませんか?
--使っているうちに割れてきてしまうものですか?
あれは一部の仕上げだとよく出てきてしまうものなのですが、
カゼイン仕上げの場合は美しい経年変化を楽しむことができます。

そんなカゼイン仕上げを行っている革屋は少ないので、
海外のこだわりの革しか使わないような靴屋さんでも
ウチの革を指名買いしてくださっています。
--1970年台から靴用の革の品質は少しづつ上がってきたものと思いますが、
商品開発で苦労されたことはありますか?
日々開発なので、苦労の連続ですね。
たとえば新しいタイプの革を開発しても、
実際に靴屋さんや問屋さんに提案した際に「うーん?」と言われることはあります。

新しい特性を持った革の場合、実際に試作品を作ってテストを行わないと
問屋さんも安心して使うことができないですしね。
--他にはありますか?
色あわせですね。

問屋さんから「この色に合わせてください」って染色の依頼が来るのですが、
大体の場合は染色済みの革見本で送られてきます。

しかし、たまに紙の色見本で「この色で~」という依頼が来ることがあるんですよ。
--それは大変そうな・・・
白い紙にインクで塗った色を、
薄茶色の革と染料で再現するのは困難です。

そういった難易度の高いオーダーも受けてきたので
色の再現性にはかなり自信があります。
--彩鞄のメンバーとして、今後やっていきたいことはありますか?
彩鞄のチームの中で、さらに濃くコミュニケーションをとり、
製品及び革としての彩鞄の知名度を上げていく方向に寄与していきたいと思っています。

ウチの技術を使って~という視点ではなく、
よりグローバルな視野を持って、積極的に頑張っていきたいですね。

大東ロマン株式会社 祝原博

当社は1945年に設立し、カーフとキップをメインに様々な種類の革を靴、バッグのメーカ―様に納めています。

所在地
草加市瀬崎2-3-18
電話番号
048-922-2211
URL
そうか革職人会 大東ロマン 株式会社